のどの渇きは暑いから?不自然なのどの渇きにはご用心
投稿日: 2024年04月17日
夏場や汗をかいたときなどに喉が渇くのは当然ですが、不自然な喉の渇きは病気のサインかもしれません。水分を飲んでも飲んでも喉が渇くというときは、何かの病気が隠れている可能性もあります。そこで今回はのどの渇きを症状とする病気についてご紹介します。
このページの目次
喉が渇く理由
人間の身体の60%は水分で作られています。私たちは、身体の水分量が足りなくなると「喉が渇く」と感じます。これは、血液の塩分濃度が濃くなるためです。高くなった塩分濃度を薄めようと、水分を欲して、喉の渇きが出てくるのです。
まずは、一般的には次のことが「喉が渇く」原因になります。
水分不足
汗をかくなど、体内の水分が体外へ排出されるときにのどが渇きます。
湿度の低下
部屋の湿度が低いと、乾燥がひどくなって喉が渇きます。加湿器で湿度を上げると、喉が渇きにくくなります。また、マスクをすると、呼気に水蒸気が含まれて渇きが和らぎます。
塩分の摂りすぎや利尿作用のある食品の摂取
塩分を多く摂ることや、利尿作用のある飲み物を飲むことは、喉の渇きにつながります。料理をするときは塩分を控えめにしたり、塩味でないもので味付けするなどして、工夫しましょう。また、利尿作用が高いお酒やコーヒーの摂りすぎにも注意です。
のどが渇いた際に一度に大量の水分を摂っても摂り過ぎた水分は排出されてしまいます。そのため、水分を摂るときは、時間をかけて少しずつ飲みましょう。目安としては、コップ1杯の水を40分~60分ほどかけて飲むくらいの速度です。また、チョコチョコこまめに摂ることもおすすめします。
こうした工夫をしても、不自然に喉が渇くようならば、病気の可能性があるため、病院を受診するようにしましょう。また、喉が渇く以外に何か症状がある場合は、それらの症状も忘れずに医師に告げて相談しましょう。
口渇を症状とする病気の例
症状として喉が渇く場合には、次のような病気の可能性があります。
咽頭炎、副鼻腔炎、風邪、インフルエンザなど、喉周辺の炎症
喉や鼻に炎症が起きると、熱を生じるため、熱を下げるために水分が欲しくなります。熱が高くなるほど、水分を欲します。
糖尿病
糖尿病になるとインスリンが十分に働かないため、高血糖の状態になります。すると、身体は吸収されなかった糖を尿として排出しようとするため、尿の量が多くなったり(多尿)、トイレに行く回数が増えます(頻尿)。尿が排出されるときには、当然水分も出ることになるため、身体は脱水の状態になって、喉が渇きます。
腎臓疾患
腎臓は尿を排泄する器官です。そのため、腎臓が上手く働かなくなると、尿の濃度を調整する機能が低下します。その結果、尿量が増えて水分が失われ、喉が渇きます。
更年期障害・自律神経失調症
自律神経のバランスが乱れると、喉の渇きを調整する機能にも支障をきたすことがあります。そのため、自律神経のバランスの乱れによって、喉の渇きを強く感じる人がいます。
バセドウ病
バセドウ病は、甲状腺の機能が亢進して「甲状腺ホルモン」が必要以上に分泌されてしまう病気です。バセドウ病になると、喉の渇き、動悸、手の震え、発汗、疲れやすい、食欲増進、体重減少などの症状が現れます。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン