知っていますか?タコとウオノメの違いについて
投稿日: 2022年05月25日
最終更新日: 2022年06月06日
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取っても取ってもまたできる、頑固なタコやウオノメ。どちらもやっかいな存在と思われていますが、どう違うのかご存じでしょうか。
そこで、2つの違いや予防法、対策などについてご紹介します。
このページの目次
違いは「痛み」の有無
タコもウオノメも本質的には同じです。両方とも、足の裏や指の皮膚に、圧迫や摩擦などの物理的な刺激が繰り返し加わることで、その部分の角質層が厚みを増し硬くなった状態です。
タコやウオノメができるのは、皮膚が自分を守ろうとする、いわば防御反応です。
タコなのかウオノメなのか、素人目に判断するのは難しいのですが、一般的には「痛み」があるかどうかで識別します。
それほど痛くないのが「タコ」
タコは、医学用語で「胼胝(べんち)」と呼ばれています。皮膚の表面が角質化しただけなので、押してもそれほど痛くはありません。タコは足以外にもできます。鉛筆やペンをよく握る人は「ペンダコ」、スポーツマンは「ラケットダコ」「ゴルフダコ」など、いろいろな「タコ」ができます。
強い痛みがあるのが「ウオノメ」
タコがさらに進むとウオノメになります。角質化した皮膚の中央に核(芯)ができて、皮膚の奥深くにある真皮に向かって入り込み、神経を圧迫するので、押した時に強い痛みを感じます。中央の硬い核が、魚の目のように見えるのでウオノメ。医学用語では「鶏眼(けいがん)」と呼ばれています。
タコ、ウオノメの原因は?
タコやウオノメの原因は、なんと言っても「サイズが合わない靴」。サイズが小さい靴は、圧迫感があることが簡単に想像できますが、大きすぎる靴も中で足が前や横に滑り、足の皮膚と靴とで摩擦が起きてしまいます。たとえば、ハイヒールは足の前のほうに重さが偏るので、タコやウオノメ予防の点でいうとあまりおすすめはできません。それでも履きたいときは、インソールや保護パットなどで、圧迫や摩擦がないように工夫するとよいでしょう。底の薄い靴やサンダルも、地面から直接衝撃を受けるので、タコやウオノメの原因になります。
靴選びのポイントは、「きつすぎず、ゆるすぎず」。買う時には試し履きして歩いてみて、あたる箇所がないかどうか念入りにチェックしましょう。
足をチェック!タコ、ウオノメができやすい人の特徴
タコやウオノメができやすい足があります。それは「開張足(かいちょうそく)」です。
正常な場合、足の親指から小指にかけての付け根に、弓なりに反った「アーチ」構造があって、地面からの衝撃を吸収するバネの役割を果たしています。この横アーチが崩れて、ペタッと広がった状態になっているのが開張足で、歩く時にここに負荷が偏り、タコやウオノメができやすくなります。
アーチ構造を保つには、足でグーチョキパーをする方法や、床にタオルを置き足でつまむ方法などがあります。
タコ、ウオノメの対処法
小さいタコやウオノメは、市販の貼り薬を使ってみましょう。それで改善されない場合は、皮膚科を受診すれば、簡単に取ってもらえます。
自分でカッターを使って削ったりすると、皮膚を傷めてしまいますのでやめましょう。
タコもウオノメも、足が悲鳴を上げているSOSのサイン。両方とも命に関わるものではありませんが、痛みを我慢して歩いていると腰痛の原因にもなります。
タコやウオノメが治らない人は皮膚科で相談してみましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン