5種類の敬語、あなたは正しく使い分けられていますか?
投稿日: 2022年04月13日
最終更新日: 2022年06月06日
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ちょっと改まった場所に行ったり、仕事で目上の人と話をするとき、あるいは、子どもの学校で先生や親御さんたちと会話を交わすといったシーンなどで、敬語を使う機会があるでしょう。
ふだん何気なく使っている人も多い敬語ですが、実は5つもの種類があります。
2007年に文化庁が「敬語の指針」というものを提出しました。
一番新しい敬語に関する原則を示されています。
これによると、敬語の種類は5種類で、尊敬語、謙譲語、謙譲語2(丁重語)、丁寧語、美化語の5つに大きく分けられています。
尊敬語
「相手や話題に登場する人物を高めるときに使う敬語」です。
たとえば、「部長が来る」というのは、「部長がいらっしゃる」「部長がお見えになる」といった例がありますね。
謙譲語
「自分側を低めて(へりくだって)、行為の及ぶ先を高めて敬意を表す」敬語です。
実際に敬語を使用する場面でも、おそらく謙譲語は一番難しいかもしれません。
簡単な例を出すと、「明日、部長に会う」というのを「明日、部長にお目にかかります」のように言います。ビジネスパーソンなら、会話でもメールでも「よろしくお願い申し上げます」と言いますが、「申し上げます」は典型的な謙譲語の例ですね。
丁重語
「聞き手に敬意を表す謙譲語」と定義されています。
たとえば、「私は鈴木だ」を「私は鈴木と申します」、「明日、大阪に行く」を「明日、大阪に参ります」などがあります。
聞き手に対して自分がへりくだっているという意味で謙譲語なのですが、相手に向かっているわけではないので、新しい指針では謙譲語とは分けられることになりました。
丁寧語
いわゆる「です、ます調」のことです。
敬語の中でもっともライト(軽い)なのが丁寧語と言えるでしょう。
ちなみに、「です、ます調」の反対は「だ、である調」と呼ばれます。
「俺は山本だ」「吾輩は猫である」などがあって、これを丁寧語に変えると、「私は山本です」「私は猫です」となります。
美化語
「話し手の品位を上げる敬語」とも言われています。
たとえば、水を「お水」、料理を「お料理」、報告を「ご報告」、住所を「ご住所」といったように、「お、ご(御)」をつけた表現を指しています。
今回は、敬語の種類をご紹介しました。
5種類の敬語を正しく使い分けて会話したいものですね。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン