3月10日は「砂糖の日」 砂糖の適量と上手な摂り方
投稿日: 2023年03月10日
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3月10日は「砂(3)糖(10)の日」です。そこで今回は、砂糖の適量や上手な取り入れ方について考えてみましょう。
「砂糖の日」とは
砂糖の日は、砂糖の関連団体によって構成された「お砂糖“真”時代」推進協議会が、平成26年に制定しました。翌日の3月11日が東日本大震災の発生日ということもあって、長期保存が可能なエネルギー源である砂糖の効用を啓発するとともに、防災について考える取り組みを行う日、とされています。
砂糖が身体に与える良い影響・悪い影響
砂糖は炭水化物(糖質)の一つで、身体や脳にとって重要なエネルギー源となります。とくに脳は、砂糖が分解されてできたブドウ糖をおもなエネルギー源としています。また、神経伝達物質であるセロトニンの作用にも関係していて、精神を安定させたり、記憶能力や学習能力を上げる働きも確認されています。また、やる気や幸福感を上げるドーパミンやノルアドレナリンなどの分泌を促すことがわかっています。ストレスがたまるとつい甘いものが食べたくなる、という人は多いと思いますが、そのメカニズムには、こうした神経伝達物質の分泌が関係しています。
一方で、砂糖の摂りすぎは肥満や虫歯の原因になります。また、とくに白砂糖を摂りすぎると、冷えや低血糖症、アレルギー疾患の悪化につながることも指摘されています。ですから、砂糖に限ったことではありませんが、適量を守って摂取することが必要です。
では、砂糖の適切な摂取量はどのくらいなのでしょうか。
砂糖の適量とは
WHO(世界保健機関)は、成人の場合、1日あたり25g以下が望ましい、としています。これはティースプーン6杯ほどの量です。中には「そんなに摂ってもよいの?」思った人がいるかもしれませんが、残念ながら、そんなに甘い数字ではありません。というのも、私たちの身近な食べものには想像以上に多くの砂糖が含まれているからです。
たとえば、一般的な缶コーヒー(無糖・微糖を除く)の場合、1缶(190ml)に含まれる砂糖の量は15g。つまり、1本飲んだだけで、1日の摂取量の半分を超えることになります。また、炭酸飲料1缶(350ml)に含まれる砂糖の量は約40gで、たった1本だけで1日の摂取量を大きく超えてしまいます。もちろん、菓子パンをはじめとする、さまざまな加工食品にも砂糖はたっぷり使われていますし、ケチャップなどの調味料にも含まれています。そう考えると、現代人の食生活において、1日あたりの摂取量を25g以下に抑えるということは、実はかなり難しいことなのです。
砂糖の上手な取り入れ方
砂糖の過剰摂取にはさまざまな健康リスクが伴いますから、やはり毎日の食生活を見直すことは重要で、とくに、清涼飲料水や加工食品の摂りすぎには注意しましょう。また、「最近、甘いものを摂りすぎているな」と感じるときは、人工甘味料などを上手に活用することも方法の一つです。人工甘味料は、その名の通り、人工的に作られた甘味料のことで、砂糖よりも高度な甘みを出すことができます。砂糖とは違って、カロリーや血糖値の上昇を抑えることができるので、「カロリーゼロ」を謳った清涼飲料水などに多く用いられています。人工甘味料にも、摂りすぎると強い甘味に慣れてしまうという欠点があるため、過剰摂取には注意が必要ですが、適度に活用すると、砂糖の摂りすぎ予防に役立ちます。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン