メラニンは悪者?日焼けやシミとの関係を解説
投稿日: 2022年05月10日
最終更新日: 2022年06月06日
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シミの元として知られるメラニン。日夜、美白ケアに努めている人にとっては、メラニンは悪者かもしれません。
でも、メラニンは肌が紫外線から身を守った証(あかし)で、決して悪いものではないのです。
そこで今回は、メラニンの正体とシミを防ぐポイントをご紹介します。
メラニンとは
肌には、紫外線から身を守る仕組みが備わっています。もっとも強力な光線防御は、メラニン色素です。
紫外線が皮膚にあたると、活性酸素、メラノサイト刺激ホルモン、エンドセリンなどの情報伝達物質が発生します。このうち活性酸素は、細胞を傷つけたり、老化を促進したり、がんの原因になったりもします。
また、メラノサイト刺激ホルモンやエンドセリンは、紫外線を受けると表皮細胞から出てきて、メラノサイトにメラニンを作るよう指令を出します。すると、メラノサイト内でチロシナーゼという酵素が活性酸素を吸収、分解します。その結果、作られるのがメラニン色素です。
メラニンは、紫外線、可視光線、赤外線を吸収して、DNAへのダメージを少なくします。
メラニンと日焼け
紫外線を浴びて日焼けをすると何日か後に肌が黒くなることがありますが、これは活性酸素を吸収して、メラニンが大量に作られるからです。お伝えしたように、メラニンは紫外線からDNAを守る働きがあります。ですから、日焼けで肌が黒くなったということは、それだけ光線防御反応がしっかり働いた、ということになります。人間の肌の色はさまざまですが、色の黒い人ほどメラニンが多く、紫外線に対して抵抗性があるといえます。
メラニンとシミ
本来メラニンは、肌の新陳代謝(ターンオーバー)によって排出されるものです。ところが、何らかの理由でターンオーバーのサイクルが乱れると、メラニンが排出されずに色素沈着を起こすことがあります。これがシミの正体です。
ターンオーバーのサイクルは、加齢やストレス、間違ったスキンケア、ホルモンバランスの乱れなどに影響を受けやすいことが知られています。
シミを防ぐには
まずは、情報伝達物質の発生原因である紫外線を浴びないようにすることが大切です。紫外線により肌が日焼けして、赤くなったり黒くなったりしますが、そのようになっていない状態でも、肌の下にシミの元となるメラニンが蓄積していきます。
とくに、紫外線の中でもUV-A波はちょっと厄介です。UVカットガラスも貫いて肌の奥まで届いてしまうので、車の中にいても日焼けの可能性があります。
ですから、夏はもちろん、冬でも日焼け止めを塗る必要があります。
アウトドアスポーツ時には、顔だけでなく、首や耳の後ろまで日焼け止めを塗りましょう。
さらに、ターンオーバーのサイクルを整えることも重要です。お伝えしたように、メラニンが排出されればシミができないからです。スキンケアや生活習慣を見直して、ターンオーバーが乱れないように気をつけましょう。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら ゆうな)
保健師・看護師。株式会社Mocosuku社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当