お正月太りをしてしまった人は見直したい!肥満の解消に重要な睡眠習慣
投稿日: 2023年01月10日
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年末年始の食べ過ぎ・飲みすぎで「お正月太り」をしてしまった人は多いのではないでしょうか。肥満の解消に必要なものは、まず食事と運動ですが、実は睡眠も大事な要素です。そこで今回は、肥満と肥満の関係についてご紹介します。
睡眠不足は生活習慣に影響を与える
深夜まで起きていると、夜なのについついお菓子や夜食を食べてしまう・・・こういったことはありませんか?起きている時間が長いことが、肥満となる行動につながるといわれています。そして、その原因としては次のものがあります。
- 起きている時間が長いことで食事(間食)をとる機会が増える
- 深夜(22時以降)に食べることで脂肪となりやすい
- 睡眠不足、疲労感がたまっている時は高カロリーな食事を選ぶ傾向にある
- 睡眠不足による疲労感から運動の機会が減り、消費カロリーも減る
このように睡眠不足は、食事と運動、どちらの行動にも影響を与えることで、肥満につながるのです。
睡眠不足とホルモンの関係
睡眠不足は、食べる機会を増やすだけでなく、食欲にも作用します。食欲を増進するホルモンである「グレリン」は、睡眠不足によって脂肪細胞から多く分泌されます。逆に食欲を抑えるホルモンである「レプチン」は睡眠不足になると、分泌が減ってしまいます。睡眠不足がこれらのホルモンバランスを乱し、無性にお腹が空くことで食べすぎの原因につながるのです。
また、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は成長期に多く分泌され、成長を促してくれますが、背を伸ばす作用だけではありません。それ以外にも、次の作用があります。
- 脂肪細胞に蓄えた中性脂肪を分解する
- 筋肉量を増加させる
- 皮膚や骨を強く丈夫にする
つまり、成長ホルモンは「脂肪の分解」と、「身体を作る」といった肥満の解消にも欠かせない作用があるのです。中性脂肪の分解は、メタボリックシンドロームの大元である内臓脂肪の量を減らしてくれます。また、筋肉量が増えることで、脂肪を燃焼しやすい、代謝がよい身体づくりにも役立ちます。
お正月太りを解消するためには早寝・早起きが肝心
成長ホルモンの分泌は、眠りについてから3時間ほどで分泌のピークを迎えます。また、空腹時、つまり血糖値が下がった時にも分泌されます。明け方には、血糖値を上げる「コルチゾール」が多く分泌されます。そのため、就寝時間が遅いと成長ホルモンの分泌のピークが明け方にくるため、コルチゾールの作用によって成長ホルモンの分泌が阻害されます。成長ホルモンが効果的に作用するには、早めの就寝と充分な睡眠時間の確保が必要となります。
このように、睡眠不足は肥満の原因になります。また、メタボリックシンドロームをはじめ、ほかにもさまざまな健康問題を引き起こします。健康の維持のため、肥満の解消、メタボリックシンドロームの改善に睡眠は欠かせません。食事や運動はもちろんのこと、睡眠もしっかりととって、規則的な生活リズムを目指しましょう。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら ゆうな)
保健師・看護師。株式会社Mocosuku社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当