リバウンドすると痩せにくくなる、は本当?
投稿日: 2023年09月19日
![リバウンド](https://www.kangoworks.com/knowledge/wp-content/uploads/2023/09/pixta_62278441_M-560x373.jpg)
食事制限による無理なダイエットおこない、その後リバウンドを経験したことがある人は、とても多いでしょう。また、その後に「痩せにくくなった」と感じる人も多いと言われていますが、リバウンド後に痩せにくくなるという現象は本当に起こるのでしょうか。見ていきましょう。
ダイエットの結果を左右するもの
そもそもダイエットは、英語ではdietと書き、「日常の飲食物」を意味します。ここから派生して、日本では食事の内容や量を制限する食事療法や、食事制限や運動などによる減量、という意味で使われることが一般的です。ここで「減量」というコトバを用いましたが、ひとことで体重を減らすといっても、その方法によってダイエットの結果は大きく変わってきます。たとえば、運動によるダイエット。運動の種類にもよりますが、一般的には運動を行うと、筋肉量が増えて体脂肪は減少します。また、筋肉が増えることで基礎代謝量(安静な状態で生命維持のために消費されるエネルギー代謝量)も増加し、より体脂肪を燃焼しやすい身体になります。
食事制限の後に起こりやすいリバウンド
このように、運動によって体重が減り、無理なくその生活を維持できているのであれば、そのダイエットは成功といえるでしょう。では、食事制限によるダイエットはどうでしょうか。食事制限にもいろいろな方法がありますが、たとえば、1食抜いたり特定の食品を摂る、といった方法を試したことがある人は多いと思います。こうした食事制限を行うと、1日あたりの摂取カロリーは減るため、一時的に体重は減るでしょう。けれども、このような無理は長く続きません。我慢の限界がやってきて、それまでの食事に戻せば、当然体重も戻ります。でも、単純に体重が戻るだけでは済まないのが厄介な点で、多くの方が感じているように「痩せにくくなる」ということが起きてしまいます。
痩せにくくなったカラダでは何が起きている?
リバウンド後に痩せにくくなることには、筋肉量の減少が関係しています。過度な食事制限を行うと、体脂肪とともに筋肉まで減ってしまいます。そして、その状態で食生活を戻すと、身体につくのは筋肉ではなく脂肪です。つまり、食事制限を始める前の状態よりも、筋肉量は少なく体脂肪の量が多い状態になるのです。体脂肪を燃やすために必要な筋肉が減って基礎代謝量も低下してしまいますから、結果として「以前より痩せにくくなる」ということが起こってしまうのです。
食事制限をした後に痩せにくくなった、という人は、無理はしていなかったか、振り返ってみましょう。食事の量を必要以上に減らしたり、食べたいものを我慢する生活を送っていなかったでしょうか?このような生活は残念ながら長くは続きませんし、何よりも健康的なダイエットとはいえません。食事の内容の見直しや運動などもおこなって、健康的なダイエットを実践しましょう。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら ゆうな)
保健師・看護師。株式会社Mocosuku社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当