紫外線が増える季節! シミの仕組みと対策をおさらい
投稿日: 2024年05月30日
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5月は紫外線量がグンと増える季節です。紫外線は人体に様々な影響を及ぼしますが、その一つが「シミ」です。今日は、そんなシミのメカニズムについて解説します。
シミとメラニン
紫外線によるダメージでできる代表的なシミ“老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)”のしくみについて説明していきます。
私たちの皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織という3層でできています。このうち一番外側の表皮は、さらに4層に分かれていて、最も真皮に近い「基底層」には“ケラチノサイト(角化細胞)”や“メラノサイト(メラニン細胞)”があります。メラノサイトは、紫外線を浴びると “メラニン(メラニン色素)”を作って、まわりの角化細胞へと送りだします。メラニンには、紫外線によるダメージを吸収する働きがあるため、角化細胞に送りだすことで、肌の細胞を守ろうとしているのです。
メラニンは、通常、肌の新陳代謝であるターンオーバーによって、垢(あか)として体外へ出ていきます。ですから、角化細胞に送られたからといって、即シミになるわけではありません。ところが、紫外線のダメージが長期にわたると、それだけメラニンがたくさん作られることになります。すると、ターンオーバーでは排出しきれなくなり、肌に残ったメラニンが色素沈着を起こします。これがシミができるしくみです。
このように、老人性色素斑は、紫外線などの影響でメラニンが過剰に作られること、そしてターンオーバーの乱れによって溜まったメラニンが排出できなくなることが原因です。
ターンオーバーは、通常4週間ほどのサイクルで行われていますが、紫外線、加齢、ストレス、ホルモンバランスの変化、摩擦などの外的な刺激などによって影響を受け、早くなったり、遅くなったりします。ターンオーバーの乱れは、シミだけでなく、毛穴のつまりや開きなどのさまざまな肌トラブルをひきおこす原因となります。
日常生活でとりいれられるシミ対策に
紫外線対策を忘れずに!
シミ対策にとって基本となるのは、紫外線を浴びすぎないことです。紫外線は、活性酸素を増やして皮膚の細胞を傷つけたり、肌の老化を進めてシミやしわの原因になります。また、活性酸素が増えると、肌を守るためにメラニンがたくさん作られ、シミの発生や悪化の原因になります。これらを防ぐためには、UVケアができる日焼け止めを使ったり、帽子や日傘などの紫外線対策グッズを活用するなど、日常生活の中で紫外線対策をすることが重要です。そしてこのような対策は、紫外線が強くなる3月~4月ころから始めるとよいでしょう。
シミを防ぐ効果のあるビタミンを摂取して!
ビタミンには、シミの予防効果が期待できます。たとえば、美肌効果が高いイメージのあるビタミンCには、シミの原因となるメラニンの定着を防いだり、黒いメラニンを無色化してシミを目立たなくする効果があります。また、ビタミンAには活性酸素を取り除いて肌の老化を予防する効果が、ビタミンEには肌のターンオーバーを促す効果が期待できます。
肌に刺激を与えるスキンケアはNG!
間違ったスキンケアは、かえって肌を傷つけ、メラニンを必要以上に作り出す原因になります。とくに気をつけてほしいのが、洗顔や顔のマッサージ。どんなに良い洗顔料や化粧品を使っていても、力を入れてゴシゴシ行ってしまうと、肌にとって負担となるので、優しく行いましょう。また、洗顔の場合、1日に何度も行うのもNG。洗顔料を使って行う場合は、1日2回までにしましょう。
いかがでしたか?今回ご紹介したシミ対策は、基本的なことばかり。当たり前のように感じる人もいるかもしれませんが、基本の積み重ねがシミのない肌につながります。シミのない肌を目指したい方は、ぜひ紫外線が強くなり始める今から対策を始めてみてください。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン