ガーデニングは健康にいい?園芸療法について
投稿日: 2024年01月20日
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ガーデニングは古くからヨーロッパなどで行われてきました。日本では1990年代にブームとなり、その後ブーム自体は落ち着いたものの、現在でも趣味として楽しまれている方がたくさんいます。そんなガーデニングが健康にいいというのは本当なのでしょうか。解説していきます。
このページの目次
園芸療法について
ガーデニングは海外では、日本でブームになる以前から「園芸療法」として医療の現場でも取り入れられています。本格的に導入されたのは第二次世界大戦中で、戦前に農業経験のある傷痍軍人に対して、園芸療法の専門家である園芸療法士が、それぞれの障害に応じて改良した農具を使わせ、社会復帰を試みたことがきっかけだったという記録があります。そして、1970年代ころから園芸療法の推進や専門家の育成のために、さまざまな専門機関が設立され、障害を持つ人の社会的権利やQOL(Quality Of Life:生活の質)の向上にも目が向けられるようになりました。園芸療法は日本でも20年ほど前に導入され、現在ではいくつかの機関によって園芸療法士の養成や認定などが行われるとともに、医療や福祉の現場で用いられています。
園芸療法の健康効果
園芸療法には次のような効果があるといわれています。
このように、園芸療法には心身にいくつものプラスの影響があることがわかっています。また、園芸療法士のような専門家を必ずしも必要としないガーデニングでも、花や緑に囲まれた環境にいるだけでリラックスできるといった心理的安定をもたらす効果があります。さらに、ガーデニングを趣味にしてから間食が減った、収穫物を人に食べてもらうために友人を招待するようになったなど、ヒトの生活習慣を自然に変化させる効果もあるといわれています。
ガーデニング健康法のポイント
東京農業大学の浅野房世教授によると、ガーデニング健康法を行う上では次のポイントがあります。
種から育てる
種から育てることで植物への愛情が生まれ、愛情ホルモンである「オキシトシン」が分泌され、免疫力を高めることができる
両手をしっかり使う
握力が鍛えられ、脳卒中・認知症などを予防する
朝に行う
朝に作業することで体内リズムが整い、体調の安定や安眠効果が期待できる
いつでも見える場所に植物を置く
植物の成長が実感でき、楽しみながら続けることができる
育てやすい植物から
達成感を得るためにも育てやすい植物から始める
以上のようなポイントを踏まえてガーデニングを行うと、楽しみと健康効果の一石二鳥も可能です。ただし、とくに暑い時季は、熱中症や紫外線への対策を忘れないようにしてくださいね。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン