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人に相談しにくい頻尿のお悩み 過活動膀胱について

投稿日: 2023年03月13日

尿もれ、失禁、頻尿の悩み

頻尿などのデリケートなお悩みは、なかなか人に相談しにくく、人知れず悩んでいる方も多くいます。今回は頻尿を症状とする疾患から「過活動膀胱」について取り上げます。過活動膀胱は患者数は男女合わせて1000万人以上といわれ、決して珍しくない病気です。そこで、病気や受診方法について解説していきます。
 

過活動膀胱とは

通常、膀胱に尿がたまりそれが脳に伝わると、脳が状況などに合わせて排尿するか、我慢するかの指令を膀胱に出します。膀胱はこの指示に従って、排尿する場合は膀胱を収縮します。さらに、尿道の入り口にある「尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)」という筋肉が緩むことで、尿が出ます。反対に、すぐにトイレに行けずに排尿を我慢する場合には、膀胱が拡がって尿をためるとともに、尿道括約筋が収縮して、尿を出さないようにします。
過活動膀胱とは、この働きがうまくいかずに、膀胱に尿があまりたまっていないのに過剰に収縮してしまい、頻繁にトイレに行きたくなる(頻尿)、我慢できないほどの尿意(尿意切迫感)を感じる、実際に尿が漏れてしまう(切迫性尿失禁)といった症状が現れるものを指します。
 

過活動膀胱の原因はさまざま

原因として、脊髄や脳の病気によって、脳が膀胱をうまくコントロールできなくなってしまっていることや、尿道狭窄や子宮筋腫などにともなう排尿障害によって膀胱がうまく機能しなくなっていることが考えられます。また、加齢や出産が原因で、子宮や膀胱、尿道を支えている筋肉(骨盤底筋群)が衰えてしまうことが原因となっている人もいます。ただし、中には原因が特定できなかったり、いくつかの要因が複雑にからみあって起こっているケースも数多くあります。
 

過活動膀胱に悩んだときは

お伝えしたように、過活動膀胱の原因としては、脳、脊髄などの病気や排尿障害によるもの、加齢や出産による骨盤底筋群の機能低下によるもの、そして原因が特定できないものがあります。このうち、脊髄や脳、排尿障害などの病気がある場合には、治療を受けている主治医に相談しましょう。それ以外の場合には、泌尿器科を受診するとよいでしょう。
女性泌尿器科を開設している病院もあります。もし、いきなり泌尿器科にかかることに抵抗を感じる場合や、どこの病院に行ってよいかわからない場合には、まずは、かかりつけの内科や産婦人科(女性の場合)で相談してみるのも、方法の一つです。必要に応じて、専門の医療機関を紹介してもらうこともできます。
泌尿器科などを受診すると、問診が行われるほか、過活動膀胱のスクリーニング質問票や「過活動膀胱症状質問票(OABSS)」といった簡単な質問票を使って診察が行われることもあります。それでも診断が確定しない場合には、必要に応じて、排尿の状態を調べる検査や膀胱の内圧を調べる検査などが行われます。
 

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過活動膀胱の治療

こうした検査の結果、過活動膀胱の診断が下ると、症状の程度に合わせて、薬物療法や行動療法などの治療を行います。薬物療法では、膀胱の収縮をおさえたり、尿意切迫感を改善する薬が処方されます。また行動療法では、ふだんの水分摂取量や食生活についての指導が行われたり、骨盤底筋群を鍛える体操を習います。さらに、「膀胱訓練」といって、膀胱に尿をためるトレーニングを行なうこともあります。過活動膀胱になると、早めにトイレに行くことで対処する人も多いですが、それだけをくりかえしていると、膀胱に尿が充分にたまっていないうちに尿意を感じる、という状態が続いてしまいます。そのため、膀胱訓練を行って、排尿の間隔を少しずつ長くしていき、膀胱に尿をためておける時間を長くする練習をしていきます。
しかし、こうした治療を行っても、症状が改善しない場合もあって、そのようなケースでは、ボツリヌス療法や、手術(仙骨神経変調療法)が行われることもあります。この手術法は、過活動膀胱などの有効な治療法として、以前から海外で行われていたもので、日本では2014年に便失禁の治療(健康保険適用)として導入されました。過活動膀胱の治療法としては、2017年から健康保険が使えるようになっています。ただし、いくつかの条件をクリアしないと受けられないので、現在、治療を受けていて手術に関心がある人は、まずは主治医への相談が必要です。
 
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

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