夏はスイカ!スイカにまつわる豆知識をご紹介
投稿日: 2023年08月15日
![スイカ](https://www.kangoworks.com/knowledge/wp-content/uploads/2023/08/pixta_77352563_M-560x373.jpg)
「夏といえばスイカ!」というくらい、夏の定番のスイカ。この時季はスーパーの果物売り場でも目立つ場所にスイカが並んでいますね。今回はそんなスイカにまつわる豆知識をご紹介します。
スイカは野菜?果物?
スイカは野菜か果物かという議論があります。青果市場やスーパーマーケットでは果物のコーナーに置かれていますね。デザートや贈り物として扱われるスイカは、果物に分類されている方が消費者としては便利です。でも、農林水産省の見解によれば、スイカは野菜になるそうです。というのも、園芸関係の学会や報告文では、「1年生及び多年生の草本になる実は野菜、永年生の樹木になる実は果物」と決められているからだといいます。ちまたには、「ご飯と一緒に食べられるのが野菜、別々に食べたくなるのが果物」という説もあります。この分類でいうと、スイカは果物としても野菜としても食べられることになるでしょう。
スイカの種は食べても平気?
スイカを食べるときに問題になるのが種です。徹底的に取り除かなければ気がすまない人もいれば、気にせずガブリとかぶりつく人もいます。結論としては、種は食べてもまったく問題なし! 「虫垂炎になる」などは迷信だそうです。スイカの種は表面の皮が非常に丈夫なので飲み込んでも消化されずに体の外に出されます。また、主な成分は脂質とタンパク質で、仮に消化したとしても問題ありません。中国では、スイカの種を炒って中身を食べるのだとか。種を取るかどうかは、見た目や歯ざわりの好みなど、「どちらが美味しく食べられるか」で決めればよいでしょう。
スイカは身体にいい?
スイカは学名を「Citrullus vulgaris」といいます。ここから、「シトルリン」と命名されたアミノ酸が含まれています。シトルリンはメロンやきゅうりなどのウリ科に多く含まれますが、中でもスイカは圧倒的な含有量です。100gあたりのシトルリン量を見ると、スイカ180mg、ヘチマ57mg、メロン50mg、きゅうり9.6mgなどとなっています。シトルリンは体内で一酸化窒素を生成し血管を拡張する作用があるといわれています。暑い夏でも、エアコンの使用などで血流は悪くなります。そうすると、むくみ、冷え性、肩こり、肌荒れなどが起こりやすくなります。血管拡張作用は、血流をよくし、これらの不調の改善に役立ちます。栄養学的には、これが、スイカが夏によい理由です。
シトルリンは皮の部分に多く含まれています。スイカはデザートとしても楽しめるのはもちろん、おかずとしてご飯と一緒にも食べられます。一番厚い、緑色の外側の皮だけ取り除き、漬物や味噌汁の具に使うなど、無駄なく食べたいですね。スイカには、体内の水分量を調整するカリウムが含まれています。また、塩をかけて食べれば塩分・糖分・水分を同時に補うことができ、天然のスポーツドリンクのように熱中症予防に貢献してくれるでしょう。また、水分が不足して血液がドロドロになりがちな夏場は、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まることが知られています。このように「夏にスイカ」には多くの理由があります。無駄なく、美味しく、いただきましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン