これからの季節は特に注意!カビ対策について
投稿日: 2024年06月21日
湿度が高い季節になるとカビが生えやすくなります。これからの季節は特に要注意。そこで、カビ対策についてご紹介します。
カビの種類
そもそもカビは「糸状菌(しじょうきん)」といって、真菌の一種です。カビには、味噌や醤油、チーズなどの発酵食品を作る上で欠かせない種類もありますが、次のように体内に入ると病気を引き起こす種類もあります。
クラドスポリウム
クロカビとして知られる「クラドスポリウム」。食品や家中のいたるところに生えるので、多くの人が目にしたことがあるでしょう。クラドスポリウムは、喘息などアレルギー症状を引き起こすことがわかっています。また、黒いススのような「アルテルナリア」。ススカビとして知られるこのカビも、咳や鼻水、鼻づまりといったアレルギー症状や喘息を引き起こすことがあります。そして、果物や野菜などの植物に生えると、毒素によって食べ物などを腐らせてしまいます。
ペニシリウム
アオカビとして知られる「ペニシリウム」も、食品などによく発生するカビです。これもまた、体内に入ると肝硬変や肝臓がんなどの原因になるといわれています。
ところで、食品にカビが生えた時に「カビの部分を削って食べれば大丈夫」と思っている人もいるかもしれませんが、目に見えない部分にもカビの毒素が潜んでいる可能性があります。そのまま知らずに食べてしまうとカビまで体内に摂りこんでいる可能性があるので、要注意です。このほか、夏型肺炎の原因になるカビもあります。
カビ対策
では、どうしたらカビによる被害を防げるのでしょうか。
まずは、カビが発生しにくい状態を作ること。カビは、気温20~35℃、湿度70%以上の場所を好みます。また、せっけんカスや手垢などの汚れ、結露した水滴、加湿器の水などを栄養源とするので、浴室やエアコンなどはカビが繁殖しやすい場所といえます。このような場所は、日ごろからこまめに掃除しましょう。また、天気が良い日には換気をして、湿った空気を外に出すようにしましょう。
発生してしまったカビには市販のカビ取り剤や塩素系漂白剤などを使います。その際、スプレーなどをカビの部分に直接噴射すると、カビが空気中に飛散することがあるので、タオルなどに薬剤などを噴射し、カビの部分を覆うようにするといいですよ。
そして、実は体調を整えておくことも大切です。カビによる諸症状は、免疫力を高めておくことで症状の発生を抑えることができるからです。
6~7月はカビの生えやすい時季。こまめな掃除と換気、そして体調管理を行い、少しでも快適に過ごしましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社Mocosuku社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン