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看護師が転職する理由と、実際の転職活動にまつわる悩み

投稿日: 2019年12月26日
最終更新日: 2024年02月20日

看護師が転職する理由と、実際の転職活動にまつわる悩み

 
執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
 
 
看護師として働く皆さんのなかには、一度は転職を真剣に考えたことがある、という人も多いのではないでしょうか。
 
あるいは、すでに転職を経験したという人もいるかもしれません。
 
転職の理由は、現在の職場への不満やキャリアアップを目指すため、ワークライフバランスの実現など、人によって多種多様です。
 
また、実際に転職活動を始めてから生じる悩みも少なからずあります。
 
そこで今回は、看護師の転職理由や、転職活動で直面する悩みついてご説明します。
 

 

看護師の転職:看護師の離職率は高い?低い?

 
日本看護協会の「2017年 病院看護実態調査」によると、2016年度の看護職員(正規雇用)の離職率は10.9%でした。
 
同じ年の産業全体の離職率がおよそ15%ですから、看護師の離職率はそこまで高くはないと言えそうです(平成28年雇用動向調査)。
 
ところが、日本医療労働組合連合会が看護職員を対象に行った「2017年 看護職員の労働実態調査」では、別の実態が浮かび上がっています。
 
本調査によると、「仕事を辞めたいと思うか」という質問に対して、70%以上が「いつも辞めたいと思う」「ときどき思う」と答えています。
 
また、辞めたいと答えた人にその理由を尋ねたところ、最も多かった答えは「人手不足で仕事がきつい(47.4%)」、次いで「賃金が安い(36.6%)」「思うように休暇がとれない(33.7%)」という結果でした。
 
この調査結果から、とくに現在の労働環境に不満を持つ人が多いことがわかります。
 
つまり、実際に離職する人数にこそ現れてはいませんが、多くの看護師が労働環境について何らかの不満を感じているのです。
 
こうした不満が募った結果、転職に至るケースも大いに考えられると思います。
 
それでは、具体的にどのような理由で転職に踏み切るのかみていきましょう。
 
 

看護師の転職理由

 
「カンゴワークス」では、これまでに転職の事例をいくつかご紹介してきました。
 
これをもとに、転職理由をパターン別に分けてご説明します。
 
 
(1)現在の労働環境や職場の人間関係に不満がある
 
前述のとおり、労働環境に不満を持つ人が多い看護師の仕事。
 
人手不足などから慢性化しているオーバーワーク、給与に見合わない仕事内容や責任の重さ、良好な人間関係が築けないなど、さまざまな理由で転職を考える人は少なくありません。
 
実際に2017年に岡山県看護協会が行った調査では、離職理由の第1位は「勤務時間が長い」、第2位は「人間関係」という結果が出ています。
 
こうした幾つものデータが、職場に対する不満によって離職する看護師の多さを示しています。
 
※参考:岡山県看護協会岡山県ナースセンター「平成30年度看護職員離職者実態調査報告書」
 
 
(2)雇用形態を変えたい
 
なかには、派遣から正規雇用を目指す、常勤から非常勤の勤務に変えたい、という人もいると思います。
 
現在の職場で実現が難しければ、転職を検討するようになるでしょう。
 
 
(3)ワークライフバランスを実現したい
 
女性の社会進出が進み、政府が推進する「女性が輝く社会」の政策も追い風となり、以前よりも女性が働きやすい職場環境が整備されてきています。
 
とは言え、結婚や出産、引っ越し、家族の介護などをきっかけに、いまだに多くの人が転職を余儀なくされている現状は否定できません。
 
一方で、家庭の事情でしばらく仕事を離れていた人が復帰するケースや、仕事中心のハードな生活からプライベート優先にシフトしたいというケースなども出てきました。
 
こうしたワークライフバランスの実現も、昨今の転職理由の特徴的な一つに挙げられます。
 
 
(4)看護師としてキャリアアップをしたい
 
看護師としてのキャリア形成を考えて転職を検討する人もいます。
 
たとえば、現在の職場では希望の分野が学べない、より幅広い知識や経験を身につけたい、新たな分野に挑戦してみたい、といった場合は、実現の可能性が高い職場を求めて転職先を探すことになります。
 
あるいは、自身の看護観から、一人ひとりの患者さんと向き合う時間を持つために、クリニックから療養型の医療施設に転職する人もいます。
 
ほかにも、行政機関や民間企業、高齢者施設、保育園など、病院以外のフィールドに活躍の場を移す看護師も、近年増えてきています。
 
このように、キャリアアップを目指した転職にも、多様な理由があることが分かります。
 
 
(5)看護師以外の仕事をしたい
 
転職をする人のなかには、看護師以外の仕事をしてみたい、という人もいます。
 
たとえば、すでに保持している保健師や助産師などの資格を活かせる職場を求めて転職するケースが考えられます。
 
この他に少数ではありますが、看護師から全く別の業界に転職して、大きくキャリアチェンジする人もいます。
 
 

看護師の転職にまつわる悩みと対処法

 
このように、看護師が転職を検討する理由というのは実に多種多様です。
 
そして、いざ転職活動を始めてみると、思ってもみなかった悩みに直面することもあるようです。
 
どのような悩みなのでしょうか。
 
対処法とあわせてご紹介します。
 
 
〇理想の転職先が見つからない
 
転職活動を始めてはみたものの、勤務地や勤務時間、待遇など、希望の条件を満たす職場が見つからない、という事態はよく起こります。
 
このような悩みで前に進めないときは、自分が絶対に譲れない条件は何なのか、もう一度考え、優先順位をつけてみてください。
 
また、転職を急がないのであれば、転職のタイミングをずらすというのも一つの方法です。
 
たとえば、退職者が多いボーナス後や年度が変わる時期など、求人情報が増える頃合いを見計らって転職活動を始めると、選択の幅が広がる可能性もあります。
 
 
〇転職活動をする時間がとれない
 
ただでさえ忙しい看護師の仕事。
 
働きながら転職活動をするのは困難という人もいます。
 
こうしたケースでは、ナースセンターや転職エージェントなどの活用をおすすめします。
 
最近では、看護師に特化したエージェントも存在します。
 
エージェントの特色は各社で異なりますが、希望に合う求人をピックアップしてくれる点は効率的です。
 
一人で情報収集をして転職活動をするよりも、早く転職先を見つけられる可能性は高いでしょう。
 
それでも時間的余裕がない場合は、思い切って退職してから転職活動をする方法も考慮してみてください。
 
 
〇転職そのものに迷いが生じてくる
 
現在の職場に対する不満から転職を決意したものの、現実の転職活動に身を置いてみると、「そもそも転職したいのだろうか」と悩む人もいます。
 
自分がなぜ転職をしたいのか、職場への不満を解決する手立ては転職しかないのか、今一度考えてみましょう。
 
自分の気持ちが固まっていない、あやふやな状態で行う転職活動は、仮に運良く転職先が見つかったとしても、同様の問題で転職を繰り返すような悪循環に陥りかねません。
 
現在の職場に不満を感じて転職を検討するに至った人は、まずは上司や同僚などに相談をするか、外部の相談機関などを活用してみてください。
 
今の自分にとって転職が最良の解決方法であるのか、その見極めはとても大切です。
 
 
転職は、私生活にも人生にも大きな影響を与える一大イベントです。
 
転職先を探すにあたっては、勤務地や勤務時間、待遇など、具体的な雇用条件はもちろんのこと、どのような仕事をしたいのか、自分が理想とする看護師像に近づける職場なのか、といった目標との兼ね合いをしっかりと考える必要があります。
 
転職活動は自分のキャリアを見つめるよい機会です。
 
大いに悩み、周りの人にもたくさん相談して、納得できる転職先を見つけてほしいと心から願います。
 
 

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看護師が転職する理由と、実際の転職活動にまつわる悩み:まとめ

 

  • 2016年度の看護職の離職率はおよそ11%で、他の産業と比較してもそれほど高くはないが、別のデータでは「仕事をやめたい」と思う人は70%以上にのぼることが示されている
  •  

  • 看護師が転職する理由はさまざまであるが、労働環境や人間関係に対する不満、雇用形態を変えたい、ワークライフバランスの実現、看護師としてのキャリアアップ、看護師以外の仕事をしたいなど、いくつかのパターンに分けられる
  •  

  • 実際に転職活動をしてみると、予想外の悩みに直面することもある
  •  

  • 転職活動をしても、希望に合った転職先がなかなか見つからない場合は、条件の見直しや優先順位の確認が必要である
  •  

  • 転職を急いでいなければ、求人が増えるタイミングを見計らって転職活動を行うと、新たな求人情報に巡り合える可能性も出てくる
  •  

  • 働きながら転職活動をすることが難しい場合は、転職エージェントなどを利用する方法もある
  •  

  • 転職活動に時間的余裕がない場合は、一度退職してから転職活動をする方法も考慮する
  •  

  • 転職活動を始めると、逆に転職自体に迷いが生じる場合もある
  •  

  • 転職に迷いが出てきたときは、転職したい理由や現在抱えている問題の解決方法について再考してみるとよい
  •  

  • 転職を検討するにあたっては、雇用条件等はもちろん、やりたい仕事や看護師としての理想像について改めて考える必要がある

 
こちらの記事もご覧ください。
 
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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